ピラティスを始めてみたら、簡単そうに見えた動きで、お腹や太ももがプルプルとふるえる。脚を伸ばした瞬間に、ふくらはぎや足の裏がつってしまう。「私の体、どこかおかしいのかな」「このまま続けて大丈夫?」と不安になった方もいるのではないでしょうか。
ピラティス中のふるえやつりは、初心者にとてもよくあることです。そして、その多くは体が新しい使い方を覚えようとしているサインでもあります。
今日は、ピラティス中に体がふるえる・つる理由と、「効いている」と「無理している」の見分け方、そして防ぐためのコツをお伝えします。
※強い痛み、しびれ、めまいなどがある場合や、持病がある場合は、無理をせず医師に相談してください。
体がふるえる・つる3つの理由

1. ふだん使っていない筋肉を使っている
ピラティスでは、お腹の奥や背骨のまわり、お尻の深いところなど、ふだんの生活ではあまり意識しない筋肉を使います。慣れていない筋肉は、力の出し方がまだうまく調整できないため、小刻みにふるえることがあります。これは、筋肉が「どのくらい力を出せばいいか」を探っている状態とも言えます。
2. ゆっくり動くことに慣れていない
ピラティスの動きは、ゆっくり、コントロールしながら行うのが基本です。勢いを使えないので、同じ動きでも筋肉が長い時間働き続けます。速く動けば一瞬で終わる動きも、ゆっくり行うと、筋肉への負担はぐっと大きくなります。
3. 力みすぎ・呼吸が止まっている
「頑張らなきゃ」と思うほど、体は力み、呼吸が止まりがちです。余計な力が入った筋肉は疲れやすく、つりやすくなります。特に、足の指やふくらはぎに力が入りすぎると、つりの原因になります。また、水分不足や冷えも、つりやすさに関係すると言われています。
「効いている」と「無理している」の見分け方
ふるえやつりがあるとき、続けていいのか、やめるべきなのか。目安になるのは、次のようなポイントです。
続けてOKのサイン(効いている)
- ふるえはあるが、呼吸は続けられている
- 動きのコントロールができている(形がくずれていない)
- 「きつい」けれど、痛みはない
- 休むと、ふるえがすぐにおさまる
やめたほうがいいサイン(無理している)
- 呼吸が止まってしまう、息が苦しい
- 形がくずれて、腰や首に負担がかかっている
- 鋭い痛みや、関節の痛みがある
- つりそうな感覚がある(つる前に休む)
大切なのは、「きつさ」と「痛み」を分けて考えることです。きついのは筋肉が働いている証拠ですが、痛みは体からの「やめて」のサインです。
ふるえ・つりを防ぐピラティスのコツ

1. 動きを小さくする
ふるえが大きいときは、動きの範囲を小さくしてみましょう。脚を高く上げる動きなら、少し低めに。上体を起こす動きなら、少しだけ。小さな動きでも、正しい形でできていれば、十分に効果があります。
2. 呼吸を止めない
ピラティスの基本は、呼吸と動きを合わせることです。きつくなったら、まず呼吸を確認してください。息を吐きながら動くと、余計な力が抜けやすくなります。
3. 足先の力を抜く
脚を伸ばす動きでは、つま先を強く伸ばしすぎないことがポイントです。つま先をギュッと伸ばすと、ふくらはぎや足の裏がつりやすくなります。かかとを少し押し出すようにすると、ふくらはぎのつりを防ぎやすくなります。
4. 始める前に体を温める
体が冷えた状態でいきなり始めると、筋肉がつりやすくなります。足首を回す、軽く足踏みするなど、体を温めてから始めましょう。冬場は特に意識したいポイントです。
5. 水分をとる
汗をあまりかかないように見えるピラティスでも、体からは水分が失われています。始める前と終わったあとに、コップ1杯の水を飲む習慣をつけましょう。
脚がつってしまったときの対処法
- すぐに動きを止める:無理に続けないことが大切です。
- ゆっくり伸ばす:ふくらはぎがつったら、かかとを押し出すようにして、ゆっくりふくらはぎを伸ばします。
- 深呼吸をする:痛みで呼吸が止まりがちなので、ゆっくり息を吐きましょう。
- おさまったら軽くさする:つった部分をやさしくさすって、血のめぐりを促します。
- その日は無理をしない:つったあとは、軽めのメニューで終えるのがおすすめです。
ふるえは「体が学んでいる」サイン
ピラティスを続けている人の多くが、「最初の頃はプルプルしていた動きが、気づいたらふるえずにできるようになっていた」と言います。
ふるえが減るのは、筋肉が強くなったからだけではありません。脳と筋肉のつながりがよくなり、必要な分だけ力を出せるようになったからでもあります。ピラティスは、筋肉を鍛える運動であると同時に、体の使い方を学ぶ運動なのです。
だからこそ、ふるえを「できていない証拠」と思う必要はありません。ふるえは、体が新しい使い方を一生懸命覚えようとしている途中経過です。焦らず、小さな動きから、呼吸を止めずに続けていけば、体は少しずつ応えてくれます。
ふるえやすい人が見直したい3つの準備
ふるえやつりが毎回のように起きる場合は、エクササイズの中身より、始める前の準備を見直すと変わることがあります。
- 時間帯:朝起きてすぐは体が冷えて硬くなっています。朝に行う場合は、足首回しや軽い足踏みを1分入れてから始めましょう。
- 床の環境:冷たい床の上では体がこわばりやすくなります。ヨガマットやラグを敷き、靴下をはいて行うのもおすすめです。
- メニューの順番:いきなりお腹や脚を使う動きから始めず、呼吸と背骨をほぐす動きを最初に入れると、体が「動く準備」を整えやすくなります。
準備に1〜2分かけるだけで、同じエクササイズでもふるえ方が変わることがあります。体を温めてから動く。シンプルですが、とても大切な習慣です。
よくある質問
Q. 毎回同じところがふるえます。
その部分が、あなたの体でまだ使い慣れていない筋肉なのかもしれません。動きを小さくして、回数を減らし、正しい形で行うことを優先してみてください。続けるうちに、少しずつ変化を感じられるはずです。
Q. 夜中に脚がつることがあります。ピラティスのせい?
夜中の脚のつりには、冷え、水分不足、疲れなど、さまざまな原因が考えられます。ピラティスのあとに起きやすい場合は、強度を下げる、水分をとる、寝る前にふくらはぎを軽く伸ばすなどを試してみてください。頻繁に起こる場合は、医師に相談しましょう。
Q. ふるえるほどやったほうが効果がありますか?
必ずしもそうではありません。ピラティスで大切なのは、正しい形と呼吸です。ふるえるまで頑張るより、正しい形で丁寧に行うほうが、体の変化につながりやすいと言われます。
Q. どのくらいでふるえなくなりますか?
個人差がありますが、週に2〜3回、数週間続けると、最初の頃よりふるえが減ったと感じる人が多いようです。焦らず、自分のペースで続けてください。
まとめ:ふるえは怖くない、痛みは無視しない
- ふるえやつりは、ふだん使わない筋肉を使う・ゆっくり動く・力みが原因
- 呼吸ができていて痛みがなければ「効いている」、痛みや呼吸の停止は「無理している」
- 動きを小さく、呼吸を止めず、足先の力を抜き、体を温め、水分をとる
- つったら、すぐ止めて、ゆっくり伸ばし、その日は無理をしない
- ふるえは、体が新しい使い方を学んでいる途中経過
次にピラティスで体がふるえたら、「今、体が学んでいるところ」と心の中でつぶやいてみてください。呼吸を止めずに、小さく丁寧に。その積み重ねが、ふるえない体をつくっていきます。

