しっかり寝たはずなのに、朝起きると首や肩がかたい。寝違えたように首が回りにくい日もある——。一日の疲れをリセットするはずの睡眠で、かえって首や肩が疲れているように感じる方もいるのではないでしょうか。
実は、寝る前の首と肩の状態は、眠りの質や翌朝の体の軽さに影響しやすいと言われます。日中の緊張をほどかないまま布団に入ると、寝ている間も筋肉がこわばったままになりがちです。この記事では、布団の上でできる「寝る前5分」の首・肩リセットピラティスと、眠りの質を上げる習慣を紹介します。
寝ても首と肩の疲れがとれない理由
日中の緊張が残ったまま
パソコン作業やスマホ、家事などで、首と肩は一日中緊張しています。その緊張をほどかずに眠ると、寝ている間も筋肉がかたまったままになりやすくなります。
寝る直前までスマホを見ている
布団の中でスマホを見ると、首が前に曲がり、肩がすくんだ姿勢になります。さらに、画面の光や情報で頭が冴えて、体がリラックスモードに切り替わりにくくなります。
呼吸が浅い
ストレスや緊張があると、呼吸が浅く速くなります。浅い呼吸では、首や肩の筋肉が呼吸を手伝うために働き続け、寝ている間も休めない状態になります。
布団の上でできる首・肩リセット5つ

どれも、布団やベッドの上でできる動きです。電気を少し暗くして、ゆっくり行うのがポイントです。
1. 深い呼吸で体をゆるめる(1分)
あお向けでひざを立て、両手をお腹と胸に置きます。鼻から4秒かけて吸い、口から8秒かけて吐く。吐くたびに、肩が布団に沈んでいくのを感じましょう。5回くり返します。
2. 頭をゆっくり左右に転がす(1分)
あお向けのまま、頭を枕の上でゆっくり右に転がし、正面に戻し、左に転がします。力を入れず、頭の重さで転がすイメージです。5往復。首のまわりの緊張がほどけていきます。
3. 肩をすくめてストンと落とす(1分)
あお向けで、息を吸いながら両肩を耳に近づけるようにぎゅっとすくめ、吐きながら一気に力を抜いてストンと落とします。5回。力を入れてから抜くことで、「力が抜けた状態」がわかりやすくなります。
4. 腕を大きく回す「アームサークル」(1分)
あお向けで、両腕を天井に向けて伸ばします。腕で大きな円を描くように、頭の上から体の横へとゆっくり回します。肩甲骨が布団の上で動くのを感じながら、5回まわしたら反対回しも。
5. 横向きで胸を開く(1分)
横向きになり、ひざを曲げて両腕を前に伸ばします。上の腕を後ろへ大きく開き、胸を広げて3呼吸。反対側も行います。終わったら、そのまま眠りやすい姿勢になって大丈夫です。
眠りの質を上げる寝る前の習慣

スマホは布団の外に
寝る30分前にはスマホを置き、布団の中には持ち込まないルールにしてみましょう。どうしても見たい場合は、顔の前に持ち上げて、首を曲げない姿勢で。
枕の高さを見直す
枕が高すぎると首が前に曲がり、低すぎると首が反ります。あお向けで寝たとき、顔がやや下向き程度、横向きで寝たとき、首から背骨がまっすぐになる高さが目安です。タオルを折って高さを調整するのも手軽な方法です。
首まわりを温める
入浴で湯船につかる、蒸しタオルを首の後ろに当てるなど、首まわりを温めてから布団に入ると、筋肉がゆるみやすくなります。
「寝る前の5分」が一日を締めくくる
一日が終わって布団に入るとき、多くの人は、まだ頭の中が仕事や家事のことでいっぱいです。体は布団の上でも、心と体のスイッチはまだ「オン」のまま。そのまま眠りにつこうとしても、なかなか深く休めません。
寝る前の5分間のピラティスは、体をほぐすだけでなく、一日を「おしまい」にする合図でもあります。毎晩同じ動きをくり返すと、体が「これをしたら眠る時間だ」と覚えていきます。呼吸に意識を向けているうちに、考えごとから自然と離れていく。首と肩をゆるめることは、心をゆるめることでもあるのです。今日もおつかれさまでした、と自分に声をかけるつもりで、体をほどいてあげてください。
寝る前にやらないほうがいいこと
- 激しい筋トレ:体が興奮状態になり、寝つきが悪くなることがあります
- 首を勢いよく回す・ボキボキ鳴らす:首に負担がかかることがあるので避けましょう
- 熱すぎるお風呂に長く入る:体が温まりすぎると、かえって眠りにくくなることがあります。ぬるめのお湯がおすすめ
- 布団の中での長時間のスマホ:首の負担と光の刺激で、リラックスしにくくなります
寝る前は、「ゆるめる」「落ち着かせる」方向のことだけを選ぶのが基本です。がんばる運動は、朝や日中に回しましょう。
朝の「1分リセット」もおすすめ
寝る前のケアに加えて、朝起きたときに布団の上で頭を左右に転がす、深い呼吸を3回するだけでも、寝ている間にかたまった首と肩がほぐれます。夜と朝の両方で首と肩をいたわると、一日のスタートが軽くなります。
自分でのケアだけでは不安なときは?
首や肩の不調が長く続く場合や、眠れない日が続く場合は、まず医療機関で相談してください。そのうえで、体の使い方を整えるサポートを受けるのもひとつの方法です。
たとえば「セルフケア整体」は、SNSでセルフケアの方法を発信しているnobu先生が院長を務める整体院です。日常であまり使えていない筋肉に着目したアプローチが特徴で、ピラティスでインナーマッスルを意識している方にもイメージしやすい考え方だと思います。
よくある質問
Q. 途中で眠ってしまっても大丈夫?
もちろん大丈夫です。むしろ、途中で眠くなるのは体がリラックスできているサインです。最後までやることにこだわらず、眠くなったらそのまま眠ってください。
Q. 朝起きたときに首が痛い場合は?
寝違えのように強い痛みがあるときは、無理に動かさず安静にしましょう。痛みが続く場合は、医療機関に相談してください。軽いこわばり程度なら、朝も呼吸と頭を転がす動きをゆっくり行うと、ほぐれやすくなります。
Q. 毎晩5分も時間がとれません。
1分だけでもかまいません。いちばん簡単なのは、最初の「深い呼吸」です。布団に入ってから5回、長く吐く呼吸をするだけでも、体の力が抜けやすくなります。
Q. ベッドがやわらかすぎてやりにくいです。
やわらかいマットレスの上では、体が沈んで動きにくいことがあります。その場合は、床にヨガマットやバスタオルを敷いて行い、終わったらベッドに移動しましょう。
Q. アロマや音楽を使うのはいい?
好きな香りや静かな音楽は、リラックスのスイッチになりやすいです。毎晩同じ香りや音楽を使うと、「これがあると眠る時間」と体が覚えていきます。音量は小さめにしましょう。
まとめ:首と肩をゆるめて、一日を「おしまい」にする
- 日中の緊張、寝る前のスマホ、浅い呼吸が、寝ても疲れがとれない原因に
- 深い呼吸、頭を転がす、肩をすくめて落とす、アームサークル、胸を開くの5つ
- スマホは布団の外に、枕の高さを見直し、首まわりを温める
- 寝る前の5分は、一日を締めくくる合図になる
今夜、布団に入ったら、スマホを置いて、まず5回の深い呼吸から始めてみてください。明日の朝の首と肩が、少し軽く感じられるかもしれません。毎晩の5分が、ぐっすり眠れる体への近道です。
