脚を引き締めたくてスクワットを始めたのに、数日で膝が痛くなってやめてしまった。階段の上り下りで膝がギシッとする——。脚やせの運動をしたいけれど、膝が心配で一歩を踏み出せない方は少なくありません。
実は、運動中に膝が痛くなる原因は、膝そのものよりも、股関節や足首がうまく働かず、膝に負担が集中していることにある場合が多いのです。この記事では、膝に負担をかけずに脚を引き締めるピラティスと、膝を守る体の使い方を紹介します。
※膝に腫れや強い痛みがある、ひざに水がたまっていると言われたことがあるなどの場合は、医療機関に相談してから行ってください。
運動で膝が痛くなる本当の理由
膝は、上の股関節と下の足首にはさまれた関節です。股関節と足首は、いろいろな方向に動く関節ですが、膝は基本的に「曲げる・伸ばす」の一方向に動く関節です。
股関節や足首がかたかったり、お尻の筋肉が弱かったりすると、本来そちらが受け持つはずの動きを膝がねじれながら代わりに受け止めることになります。スクワットで膝が内側に入る、つま先より膝が大きく前に出る——こうした動きが、膝の痛みにつながりやすいのです。
つまり、膝を守るには、膝を鍛えるより、股関節とお尻、足首が働ける状態をつくることが大切です。
膝にやさしい脚の引き締めピラティス5つ

1. 寝たまま脚を上げる「レッグリフト」
あお向けで片ひざを立て、もう一方の脚をまっすぐ伸ばします。伸ばした脚を、立てたひざの高さまでゆっくり上げて下ろす。10回×左右。膝を曲げ伸ばしせずに太ももの前を鍛えられます。
2. お尻の横を鍛える「サイドレッグリフト」
横向きに寝て、下の脚は軽く曲げ、上の脚をまっすぐ伸ばします。かかとから遠くへ伸ばすように、上の脚を少し後ろめに持ち上げます。10回×左右。お尻の横が働くと、膝が内側に入りにくくなります。
3. 内ももを使う「ボールはさみ」
あお向けでひざを立て、ひざの間にクッションや小さなボールをはさみます。息を吐きながら軽くつぶし、吸いながらゆるめる。10回。内ももが働くと、脚のラインが整い、膝の安定にもつながります。
4. うつぶせで脚の裏を使う「ヒールスクイーズ」
うつぶせになり、ひざを肩幅に開いて曲げ、かかと同士を合わせます。かかとを押し合いながら、ひざを床から少し浮かせます。5秒キープ×8回。お尻と太ももの裏が働き、ヒップラインの引き締めにも効果的です。
5. 足首をやわらかくする「アンクルサークル」
座った姿勢で片脚を伸ばし、足首をゆっくり大きく回します。右回り・左回り各10回。足首がやわらかくなると、しゃがむ・歩くときに膝がねじれにくくなります。
膝を守る体の使い方

膝とつま先の向きをそろえる
しゃがむとき、階段を上るとき、膝がつま先と同じ方向を向いているかを意識しましょう。膝が内側に入ると、ねじれが生まれます。
しゃがむときは「お尻を後ろに」
椅子に座るときのように、お尻を後ろに引きながらしゃがむと、股関節が働き、膝の負担が減ります。膝から先に曲げると、体重が膝に集中します。
足の裏全体で立つ
つま先だけ、かかとだけに体重が偏ると、膝にかかる力のバランスが崩れます。足の裏の3点(親指の付け根・小指の付け根・かかと)で立つ意識を持ちましょう。
脚やせに「膝を曲げる運動」は必須ではない
脚を引き締めるというと、スクワットやランジなど、膝を深く曲げる運動を思い浮かべる方が多いと思います。もちろん効果的な運動ですが、膝に不安がある段階でいきなり取り組む必要はありません。
脚のラインは、太ももの前の筋肉だけでなく、お尻、内もも、太ももの裏など、いろいろな筋肉がバランスよく働くことで整っていきます。むしろ、太ももの前ばかりを鍛えると、前ももが張って脚が太く見えることもあります。寝たまま、膝を曲げずにできるピラティスで、使えていなかった筋肉を目覚めさせる。それが、膝を守りながら脚を引き締める近道です。
膝にやさしい1週間プログラム
- 1〜2日目:アンクルサークルとボールはさみだけ。動きに慣れることを優先
- 3〜4日目:レッグリフトとサイドレッグリフトを追加。10回がきつければ5回から
- 5〜7日目:ヒールスクイーズも加えて5つすべて。合計10〜15分程度
いきなり全部を行うと、使っていなかった筋肉が筋肉痛になり、続ける気持ちが折れてしまうこともあります。少しずつ増やしていくほうが、結果的に長く続けられます。
日常生活での膝の守り方
エクササイズの効果を生かすには、日常の動き方も大切です。階段を下りるときは手すりを使う、重い荷物は左右に分けて持つ、床から立ち上がるときは手をついて片ひざずつ。こうした小さな工夫で、膝への負担は大きく変わります。
とくに階段の下りは、上りよりも膝に負担がかかりやすいと言われます。一段ずつ、膝とつま先の向きをそろえて下りるだけでも、膝のねじれを防げます。
自分でのケアだけでは不安なときは?
膝の違和感が続く、脚の使い方のクセが自分ではわからないという場合は、まず医療機関で相談し、そのうえで体の使い方を整えるサポートを受けるのもひとつの方法です。
たとえば「セルフケア整体」は、SNSでセルフケアの方法を発信しているnobu先生が院長を務める整体院です。日常であまり使えていない筋肉に着目したアプローチが特徴で、ピラティスでインナーマッスルを意識している方にもイメージしやすい考え方だと思います。
よくある質問
Q. いつからスクワットをしてもいい?
今回紹介したエクササイズを続けて、お尻や内ももが使えている感覚が出てきたら、浅めのスクワットから試してみましょう。椅子に座る直前まで腰を下ろして立ち上がる「椅子スクワット」なら、深くしゃがまずに済みます。痛みが出たら中止してください。
Q. 膝のサポーターは使ったほうがいい?
サポーターは、膝を安定させる助けになりますが、頼りすぎると周りの筋肉が働きにくくなることもあります。使うかどうかは、医師や専門家に相談するのがおすすめです。
Q. ウォーキングは膝によくない?
痛みがなければ、ウォーキングは脚全体をバランスよく使える良い運動です。クッション性のある靴を選び、足の裏全体で着地することを意識しましょう。
Q. O脚やX脚でも同じエクササイズでいい?
今回紹介したエクササイズは、どちらのタイプでも取り組みやすいものです。O脚の方は内もも、X脚の方はお尻の横を特に意識すると、脚のラインが整いやすくなります。気になる場合は、専門家に脚の状態を見てもらうと安心です。
まとめ:膝を守りたいなら、膝以外を整える
- 膝の痛みは、股関節・お尻・足首の代わりに膝ががんばっていることが原因になりやすい
- 寝たままのレッグリフト、お尻の横、内もも、太ももの裏、足首のケアで膝にやさしく脚を引き締める
- 膝とつま先の向きをそろえ、しゃがむときはお尻を後ろに
- 膝を深く曲げる運動は、使える筋肉が増えてから
今日は、テレビを見ながら「サイドレッグリフト」を左右10回ずつやってみましょう。膝にやさしい脚づくりは、そこから始まります。

